低賃金労働と保育事業

註)低賃金労働を批判する趣旨のものではありません。

昼飯を食いに或るチェーン店に入った。特になんということはない、日本中にあるチェーン店だ。
入口に「1歳の息子を保育園に送るときに花を一緒に見るのが楽しい」という従業員の一言が書いてあった。

例えばこの従業員が8時間の労働をすることにより得られる給与は一日あたり8千円に満たない。月22日労働していたとしても月17万円程度、年収は200万円程度である。
一方、一日8時間の労働をするために少なくとも8時間45分以上、少なく見積もっても9時間保育園に預けねばならないのことは明らかで、1歳児ひとりあたりにかかる保育士の人件費、その他管理費等は莫大なもので一日あたり8千円程度では済まない。1歳児を1年一人預かるのにかかる費用は300万円近いと推計されている。0歳児ならなおさら跳ね上がる。

税金を年300万円投入して1歳児を預かり、年200万円の収入を母は得ているわけである。
最低賃金水準で働くぐらいなら家で子の面倒を見る方がよほど社会的コストが低くなるというわけだ。

無論母親が子の面倒を見たくないというのはあろうが、年200万円寄越すから家で基本的に保育をせよというのは行政にとっても、母親にとっても魅力的な提案であろう。昨今の待機児童問題の解消にも資する。

低賃金労働は税金の投入により維持されてしまっているということを考えた昼下がりであった。